相模原障害者施設殺傷事件の報道で思うこと

世間ではだいぶ風化しているこの事件。
障碍者家族や大学教授が犯人の手記出版の中止を求めた、というニュースを観た。


それはさておき、この事件でのテレビ報道のあり方に疑問を感じる。
多分に憶測が含まれるが、大体以下のような感じではないか。

当事者家族の声を紹介→障碍者にはみんな個性があるんです→障碍者の命を奪っていいという考えは決して許されません!


付け加えると、犯人の考えは『重度障碍者は人を不幸にする』というものだが、報道では意図したものか『障碍者全般』とされてることが多い気もする。


報道では現場の取材をすることが大事で、様々なニュースではそのようにしている。
しかしこの事件では、重度知的障碍者の施設を取材し報道しているものを観たことがない。
Eテレでは施設や介護の様子、職員や家族の生々しい本音を語る番組はあった)

これは「実態を映すのはあんまり良くないかも…?」と報道側も薄々思っているのではないか。

もう一つの理由としては、『人権』の問題だから結論が元々決まっているということもあるのではないか。結論が『差別はよくない!』だから取材などする必要がない。
そしてキャスターやアナウンサー(なぜ意見を表明する)だとかは、公の場である以上『差別はよくない』としか言えない。


もし報道番組が真に報道を志し『障碍者は個性があり素晴らしい存在だ(誇張』と主張したいのなら、芸能人やジャーナリスト気取りのアナウンサーを同様の施設に送り、一週間ほどフルタイムで勤務させてみればよいのではないか。

実態を映さない報道は(重度知的の)障碍者をどこか見えない所に押し込めたまま綺麗事を言っているようにしか思えない。